COACHING FOR
LEADERS
PROJECTS
【アフリカへの支援を無駄にしない!
「和☆リーダーを育てるプロジェクト」始動します】
ライター&インタビュアー:牧原みのり
「アフリカ」と聞いて、あなたがイメージするものは何ですか?
「アフリカ支援」正直無駄だと思いますか?
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「私はアフリカの若手リーダーに和の心を伝えるエルダーとなり、彼らの成長に関わりたい。そして、彼らが自信と希望を持って世界を変容させていく姿が見たい!」
私が、本間玲子さん(通称りょうちゃん)の心の叫びをFacebookで見かけたのは、2018年12月30日のことでした。
「アフリカで和☆リーダーを育てるプロジェクト」
目先の利益を全く期待せず、純粋な支援活動を続けるためにプロジェクトを設立し、メンバーを募るというのです。
実際、今年に入ってすぐに、りょうちゃんは自費でルワンダに渡り無料でワークショップを始めています。
アフリカの問題は深刻なことは、なんとなく分かる。でもだからこそ、アフリカの地で何かを根付かせることってとても難しそう。
それなのに、彼女の情熱を、今そこまで掻き立てているものはなんだろう?
そもそも、今現在のアフリカはどうなっているの?…
そんな思いから、りょうちゃんにアフリカ支援への道のりと思いを聞かせてもらうことになりました。
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【遠い国アフリカとの出会い】
りょうちゃんとアフリカの出会いは、2016年のこと。
20年務めた外資系金融のキャリアを手放し、国際協力の仕事がしたいと出会った財団法人日本国際協力センター(JICE)がJICAから受託した留学生事業の一環で、アフリカ人の留学生のサポートを担当したことがきっかけでした。
アフリカから日本にやってくる留学生は、現地のいわゆる「エリート」です。アフリカの大学を卒業していることが前提で、社会経験を経て日本に留学しにやってくる人も多いそうです。日本は最近ではアフリカへの支援を、「人材育成」という切り口で取り組んでいるのですね。
【アフリカ人留学生の夢と現実】
そのうち主任となったりょうちゃんのもとには、日本中にいるJICEコーディネーターを通して、留学生たちからの相談や、彼らに関わる研究室、大学からの相談が後を絶たなかったといいます。
心と体の不調、ホームシック、留学生同士の暴力事件、ストーカー騒ぎ、研究室の人間関係に馴染めない…内容は様々ですが、原因のほとんどは、アフリカと日本の文化の違いにあると考えられました。
「日本で学んで、国や村に貢献したい。ビジネスで成功したら、生まれ育った村のインフラを改善し、女性や子どもの教育を充実させたい。」
日本にやってくるアフリカの若者は、誰もが胸に希望を抱き、熱い思いを口にします。
本当はとてもあたたかくて、優しくて、思いやりにあふれた人達。
優れた人格と賢明さを持ち合わせた彼ら。
一部の学生がその才能を花開かせる一方で、日本の社会に馴染めず、うちのめされてしまうアフリカ人留学生も多いのだそうです。
当時、りょうちゃんが支援していた留学生は、JICAの留学制度を利用して日本に留学しに来ていましたが、他制度と較べてもサポート体制がキメ細かく、一人一人に寄り添う支援を行なっていましたが、学んだことをどのように母国で活用するかなどに悩んでいる学生も多かったようです。
【税金の無駄!?現状の留学支援制度の重大な問題点】
さらにりょうちゃんが驚いたのは、留学を終えた若者たちの帰国後の状況でした。
日本に来て修士課程を修了した若者が、会社に戻っても相応の待遇をしてもらえないなど、折り合いがつかずに失職してしまう。そして、転職活動がうまくいかずにニートと化してしまうケースがあるというのです。
JICAの留学生は、日本滞在中は学費も生活費も無料です。その財源は、日本の税金です。日本は税金まで使って国際支援をしているのに、その努力がアフリカ社会の充実に結びついていない現状を知り、現状の留学制度のあり方に疑問を感じるようになりました。
【本当に意味のある支援とは?】
「本当に現地のためになる支援って何だろう?」
現在の日本の留学支援制度は、「お金を出す側(日本)」「お金を出してもらう側(留学生)」のパワーバランスの上に成り立っている…
日々留学生たちと対話を重ねる中で、りょうちゃんは日本の支援の方向性と、アフリカ人留学生の願いのズレを感じるようになっていきます。
そして、2年間の修士課程を無事終えて卒業を目前にしてもうすぐ母国に帰国しようとしているエチオピア人留学生をコーチングした時に言われました。
「日本で学べて本当に良かった。しかし、帰国してビジネスをしたいと思った時に、人を育てる方法が分からない。チームビルディングもリーダーシップも、自分は分かっても人に伝える方法が分からない。本間さん、助けて!手伝って欲しい」
実は、現在のアフリカ社会は、衣食住など生活基盤を整えている段階。人々の意識は人材育成にも向いていない状況で、コーチングやNLPによる人的支援は、まだまだこれからなのだということを知りました。
アフリカへの支援を無駄にしないためにも、留学支援制度の限界でもある帰国後の留学生のサポートが、実は非常に重要だったのです。
【アフリカ人のメンタルの弱さと大陸の“傷み”】
アフリカの若者のメンタルには「弱さ」があるとりょうちゃんは言います。何かあると、すぐに落ち込み立ち上がるのに時間がかかる。優秀な子が、いざという時に力が出ない。パッションはあるけど、忍耐力がない。心の底から自分を信じる力が弱い。動揺すると他人のせいにしたり、自分にできない難しいことはまず自分でやろうとしないで、すぐ人に頼る。。。この自己肯定感の低さはどうしてだろうー。
様々な資源に恵まれるアフリカ大陸は、過去多くの西洋諸国の支配下に組み込まれました。現在の社会問題の根底にも、その爪痕は色濃く残っています。
今もなお、ヨーロッパ諸国による資源の搾取は続いているといいます。
たくさんの留学生が「自分たちのリソースはすべてウエスタンに取られちゃった」と話すのだそうです。
大地も、資源も、人権、言語も取り上げられた経験を持つ民族は、一度は心の拠り所をなくし、アイデンティティを失います。自分たちは何者かが分からなくなり、自信を失うのです。
アフリカの難しさは、それだけではありません。
支配国の傾向によって、地域ごとに全く異なる文化的背景とメンタルモデルを抱えていることもあってか信頼関係の構築が一筋縄でいかない地域もあり、互いに理解が進みにくいのだそうです。
【アフリカの支援の現状と可能性】
現在、国際社会から財政面やインフラ整備など多くの支援を受けながらも、ハード面ばかりが強調されて、本当の意味で人的資源の活用や育成支援に目が向けられていないというアフリカ。
日本に来る留学生は、いわばアフリカ中の「エリート」階層の人たちです。アフリカの未来を担うはずの彼らでさえ、メンタル面に弱さを抱えてつまづいてしまう現状をなんとかしたい。才能あるアフリカの若者が、傷みを抱えるばかりに能力を発揮できないのだとしたら、とてももったいないことです。
【“最後の大陸”アフリカー傷みを癒して本来の力に光を】
りょうちゃんは、アフリカの問題を解決するために、まず夢や希望を失わずに自力で解決できる自立した人材を育てることが不可欠と考えています。課題の解決に向けて知恵を絞り、自らプロセスを歩んでいくこと、そのものがアフリカ人の真の自立を助ける力になるからです。
そして、アフリカの人々が本来の力を発揮していけるように支援することこそが、これからの国際社会の伸び代にもなると感じています。
そして、もし、アフリカの人々が、NLPやコーチングを学び、身につけることができたら前進するための大きな力になるのではないか。—
そんな思いから、りょうちゃんのアフリカ支援は手探りで始まりました。
【早く行きたければ、1人で行け。遠くへ行きたければ、みんなで行け】
アフリカのことわざに「早く行きたければ1人で行け。遠くへ行きたければ、みんなで行け」というものがあります。
りょうちゃんは、持ち前の計画力と実行力で、今まで1人で決めて何でもこなしてきたと言います。
プロジェクトを始めるにあたっても、まずナイジェリアの若者を招致するための渡航費と研修費用を自費で賄うとすぐに決めました。
しかし、今後も支援を続けるためには、私財でまかない続けることには限界があります。そして何より、この大きなプロジェクトを1人の成果にせず、みんなで分かち合うことで、喜びも増し社会的な広がりを見せる可能性があります。
りょうちゃんは「1人でこのプロジェクトを続けるのは荷が重すぎる。でも、結果が出るかどうかも分からないのに人を巻き込んで良いのだろうか」という葛藤にも悩みました。でも、このプロジェクトが1人でも多くの人の心に届き、地球のより良い未来へ投資するつもりでサポートをしてくれたら嬉しい、といいます。
「お金がない地域では、ビジネス的介入は望めない。私がやらなきゃ誰がやる。」
この冒険は、りょうちゃんにとっても壮大なチャレンジの始まりです。
【日本がアフリカを支援するメリットってなに?】
アフリカの若者は、日本の社会のあらゆるところに感銘を受けるそうです。
「日本人は親切だ」
「日本では財布を落としても戻ってくる」
「社長以下、身分や肩書きに関係なく掃除するなんて素晴らしい。」
「毎朝の朝礼はモチベーションが上がる。」
「上司も部下も、同じフロアで机を並べて仕事をするから対等に思える。」etc.
日本では当たり前でも、海外から見れば当たり前ではない習慣がたくさんあって、純粋な感性を持ち表現の豊かなアフリカの人々は口々に日本の素晴らしいところを教えてくれるのだそうです。
日本人が、日本の事をもっと好きになれる可能性。
日本の社会がさらに多様性に寛容になっていく事。
アフリカを「支援の対象」としてではなく、もっともっと身近に感じられるようにしていく事、そして、昨今元気のない日本という国が、日本の子どもたちが、アフリカからの良い刺激を受けて、元気を取り戻す事が、りょうちゃんの一番大きな夢であり、目的なのです。
【プロジェクトに秘められるもう一つの意味】
実は、りょうちゃんにとって、このプロジェクトにはもう一つのメッセージがあります。
それは、「大人が夢を追いかけよう」ということ。
1人でも多くの大人が、未来に夢を持ち行動する姿を見せることが、これからの世界を生きる子ども達へのギフトになると考えているのです。
学生時代のりょうちゃんの夢は、国際協力に携わることでした。
新卒で銀行に就職して40歳を過ぎてノープランで仕事を辞めてしまったりょうちゃん。
学生時代の夢を思い出して、国際協力の仕事に関わったからこそ、「遠い世界だったアフリカの若者リーダーを育てる」という新しい夢に出会いました。
最後に、りょうちゃんからのメッセージをお伝えします。
「人生はいつだって、何歳になっても「まだまだこれから」。未知との出会いは、新しい自分の再発見と成長につながります。
あなたの夢は、なんですか。
もし忘れていたなら、もう一度思い出してみませんか?
「どうせ」「今さら」「なにもできない」と言う必要はありません。
夢を持ちましょう。
私たちの子ども達が、夢を見られる社会にするためにも。」
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【りょうちゃんのインタビューを終えて】
実際にアフリカに行くと、その文化やファッション、音楽などに惹きつけられ、いろんな困難があってもまた行きたいと口にする人も多いそうです。そんな人たちは、とにかく陽気でポジティブ、なおかつアクティブ。
本来、太陽の照る大陸アフリカは、そうして世界中の人たちを勇気づけポジティブにする魅力に溢れているのかもしれません。
今でさえ、それを感じる人たちがいるのだから、アフリカの人々が自分の力に真に目覚め、未来を切り拓く力を得たら、どんなにまばゆい光を見せてくれるだろうー。
個人的な話ですが、私にとって、アフリカのことはとにかく遠い世界の話でした。
いろいろな問題を抱えた「発展途上国の多い地域」でしかなかったアフリカのイメージが、りょうちゃんの話を聞いた今、まるで「世界の秘宝」とすら感じられています。
課題は挙げればキリがない。失敗もあるだろうけれど、夢が叶った未来を思い浮かべて、とにかく今目の前にある一歩を踏み出す。
りょうちゃんが始めたこのプロジェクトは、こんな風にしてまだまだ始まったばかりです。
私も、自分にできることがあればぜひ協力を続けたいと思います。そして、
ドキドキワクワクの過程を、これから1人でも多くの人と共有していけたら、とても嬉しく思います。
ライター&インタビュアー:牧原みのり
(プロフィール)
約10年、正規の心理職として公的機関に勤めた後、NLPを学び、魂の疼きからフラを再開。ハワイアンの宇宙観(古代ホオポノポノ)を通して世界を平和にする活動「ミッション・アロハ」の一員としての活動を目指し現在準備中。
(補足)
りょうちゃんのブログにて、アフリカプロジェクト活動を発信中!
【カンパ振込先はこちら】
銀行:住信SBIネット銀行
支店:レモン支店
口座:普通 5241577
口座名義:ホンマリョウコ