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分断からつながりへ、そして、「許し」のパワー


3/1~3/9まで初めてケープタウンに行ってきました。

行ってみて驚いたのは、あんなに雄大な大自然に囲まれているのに、「人間同士がつながれていない」ということです。

空気もいいし、ビーチも山も風景も美しい。

母なる地球や宇宙とも繋がりやすく、まったく危険を感じませんでした。

町の雰囲気(いわゆる集団無意識)を感じても、あまり怖くありませんでした(暗くなったら一人で出歩かなかったということもあるかもしれないですが)。

南アは、農業はほぼ自給自足をしており、金もダイアモンドの埋蔵量も世界的に大きい資源大国でもあり、経済大国でもあり、多様な人種を抱える豊かな国です。

そんな豊かな国なのにもかかわらず、いまだにアパルトヘイト政策の爪痕は残っていて、人々を人間が意図的に分断したことの痛みを引きずっている人たちがたくさんいました。

ノーベル平和賞を受賞した類まれなリーダーだったマンデラさんは、27年間も投獄されたことを「許す」と決めました。彼は就任演説に際し、自分の魂と自分の祖国を癒すためには許しが必要と考え、その印として自分を監禁した人たちに最前列の席を用意したのです。

彼は、分断された人々を「これ以上憎み合わせない」、「戦わせない」という方向へ導くことで、多くの命を救いました。

それなのに、その後を引きついだの政治リーダーたちは汚職にまみれ、格差は是正されきれておらず、さらに白人は逆差別を受けていて、本当の意味で、自由で平等な国家になりきれていない。

いろんな問題が、この国の発展の障害になっているようでした。

ただ、希望も感じました。

私が出会ったガイドさん(黒人)が言うには、

アパルトヘイト政策の一番の過ちは、人々を分断したことだ。

今でも人々は繋がれていない。

分断が完全になくなるまでは何世代もかかるだろう。

でももし、私たちのような多様性のある国家がうまくいけば、世界にとって「希望」となるだろう。何十年も投獄されたマンデラ氏が、過去は水に流して前を向いて進もうというなら、投獄されていない僕たちは文句なんて言えない。前を向いて進まないといけない」

人生の長い期間獄中で過ごし、拷問され、ひどい仕打ちを受けてもなお、その過ちを許したマンデラ氏の在り方は、今でも南アに限らず人々の勇気と感謝に繋がっているようです。

そういえば、94年に民主化されてから、まだ24年しか経ってない。新しい南アはまだまだ過渡期にいるんだなあと思いました。

そもそもなぜ私はケープタウンに行こうと思ったのか、自分でもよく分からなかったのですが、私の「分断からつながりへ」というミッションになんらかのインパクトをもたらした旅だったと思います。

そして、マンデラさんの在り方に大きなインパクトを受けた現地の人たちと交流できたことは、「アフリカの若手黒人リーダーを育てたい」という私の夢にさらに火をつけた旅でした。

「許しは魂を自由にする。恐れをも取り除いてくれる。人を許すことは最強の武器なのだ。」

by ネルソン・マンデラ (南アフリカ共和国元大統領、ノーベル平和賞受賞)

(チャップマンピークドライブは、世界のドライブランキング5位のドライブウェイ。息をのむ風景に出会える)

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